今日は簡単に作れる定番フレンチ、ラタトゥイユ。
ラップを落として保存すれば1週間は日持ちするので、これから暑くなる夏には野菜が悪くなる前に作っておくといいですね。
さて、ラタトゥイユは本当にわかりやすく作る人の「個性」が出ます。
先に言っちゃいますね。
水で伸ばすとミネストローネになっちゃうような作り方や味は、僕は大っ嫌いです。
料理をまとめるために必要なのはコク
ラタトゥイユには、香ばしさと油の旨味。
鍋に玉ねぎ入れて、ピーマン入れて、ナス入れて・・・ではつまんない。
きっとナスを入れたタイミングで油が無くなって、足せばオイリーに。
足さなきゃ水分が出て、炒めてるんだか煮てるんだか。ほぼミネストローネ状態でメリハリが無い。
この料理のキーマンは「ナス」と「ズッキーニ」です。
材料
(4人前)
玉ねぎ 1/2個
パプリカ(赤・黄) 各1/2個
ピーマン 2個
ズッキーニ 1/2本
ナス 1本
ニンニク 2片
オリーブオイル 25g
白ワイン 50g
トマトソース 300g
水 100g
ローリエ 1枚
エルブ・ド・プロヴァンス 3つまみ
プロが教えるポイント

トマト缶は使わない
トマトソースのときにも話しましたが、缶詰臭さは簡単に取れません。
あのエグい酸っぱさは、野菜の甘味を、個性を殺します。
短時間で煮込む料理なのでトマトソースがなければ、フレッシュトマトでもいいですね。
香ばしさと油の旨味
ラタトゥイユは野菜のトマト煮込み。もちろん野菜しか入ってないんです。
なのでそれぞれの長所を生かさなきゃダメ。中でもナスとズッキーニ。
ナスもズッキーニも油と相性が良いですが、その分いくらでも油を吸います。
煮込めば形は崩れて、油が溢れ出るのでギトギトに。
オイリーさを感じさせないように適度に油を吸わせて、焼き色で膜をつけて閉じ込めてあげることがポイント。
中華の油通しに近いイメージですね。
先に油を吸わせてあげることで、他の素材とも喧嘩しなくなります。
作り方
野菜の切り方
玉ねぎは横半分にして、四角くなるように切る。
この大きさに合わせて、他の野菜を切っていく。


パプリカは種と白いワタを取ってから切る。


ピーマンもヘタを取って、パプリカと同じように。


ナスのヘタは、鉛筆を削るみたいに落とす。


半分にして切りそろえる。


ズッキーニも一緒。


ニンニクはヘタを取って、皮を剥く。それぞれ分けておいておく。

メリハリをつけて作る
鍋にレシピのだいたい半量のオリーブオイルを入れて、中火にかける。
温まったらナスとズッキーニを入れて、色づくまでソテー。先に油を吸わせて、軽く色づけ香ばしさを出します。
火を通すことが目的ではないので、水分が出ないように強めの火で手早く色づけること。


薄っすら色づいたらボウルにあける。

鍋を一度洗って、ニンニクと残りのオリーブオイルを入れて弱火にかける。
鍋を傾けてニンニクの香りを油に移すように加熱。
ここでも、重要なポイントの香ばしさ。焦げるギリギリまでしっかり色づけること。


弱火のまま玉ねぎを入れて、塩を軽くひとつまみ。味付けではなく、玉ねぎの水分を出して味を凝縮する。

そのまま食べられるくらい美味しくなったら、パプリカとピーマンを入れる。


パプリカ、ピーマンはすぐに火が入るので炒めない。油を馴染ませるだけ。
白ワインを注いで、強火で水分が無くなるまで煮詰める。


この段階でナスが入ってると、ワインを吸って酸味が尖るので入れないこと。
ナスとズッキーニを加えてサッと混ぜたら、トマトソースと水を入れて一度沸かす。


エルブドプロヴァンスとローリエを入れてフタをし、弱火で20分煮込む。

ちなみにエルブ・ド・プロヴァンスはこんなの。スーパーでもコストコでも売ってます。
とりあえず入れとけば南仏感が出る優れもので、肉にまぶして焼くと美味しいです。

中身はバジル、タイム、セージ、ローズマリー、マジョラムが一般的。無ければこのあたりのハーブを適当に。
20分したら火を止め、味をみて完成。
このトマトソースなら味付けなしでいい感じ。

タッパに入れて粗熱が取れたら、ラップを落として冷蔵庫へ。1週間程度は持ちます。

ラタトゥイユの食べ方

冷たくても、温めても。肉でも魚でも。
野菜しか入ってないので、とにかく何でも合います。
パンに乗せてピザトースト風もありですね。レストランでは仔羊に添えるのが鉄板です。
今回は、同じく南仏のソース「ピストゥー」と一緒に。