惣菜屋さんでよく売ってる、鶏肉巻きも実はフレンチ。
今日はジューシーな鶏もも肉と、プリプリ海老のガランティーヌの作り方です。
ちなみにガランティーヌは、詰め物をした肉を加熱してから冷やした冷製料理。
同じ作り方のバロティーヌは温製のもの。だけど正直どっちも冷製でも温製でも出します。
ただの言い方の違い。チューハイとサワーみたいなもんです。
基本的に茹でて作りますが、手間がかかるし、ジューシーに火を入れるのが難しい。
なので今回はフライパンと魚焼きグリルの黄金コンビで。
詰め物はひき肉が一般的ですが、今回は海老を入れてプリッとジューシーに仕上げます。
材料
(2人前)
鶏もも肉 1枚
海老(ブラックタイガー) 8尾
塩 ひとつまみ
プロが教えるポイント

鶏もも肉はマリネしておく
冷たくても、温めても美味しい料理にするために味に深みが欲しいので、鶏もも肉は前日にマリネしたもので。
以前紹介した塩レモンや、シンプルに肉の重量の1%の塩と、0.8%くらいの砂糖を擦りこんで、ローリエなどのハーブでマリネしたものでもいいですね。
今回は水切りヨーグルトでフロマージュブランを作ったときに出た、ホエイで。
使いにくいけど栄養たっぷりなホエイは、マリネ液として活用しちゃうのがオススメです。
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海老と一体感を出す
殻をむいた海老をそのままゴロゴロ入れてもいいですが、そうすると口の中で海老と鶏が分離して一体感が無くなります。
今回は海老の縮み防止を兼ねて、一度開いてから巻き込み、一本の大きな海老が入っているような状態に仕上げました。
このひと手間で口当たりもよく、美味しいガランティーヌになりますよ。
作り方
海老の詰め物とガランティーヌの巻き方
今回は鶏もも肉を掃除して、ホエイに1日漬け込んだものを使用。

キッチンペーパーで水気を拭いておく。

身の厚いところをスライスして、薄い部分に乗せる。包丁で全体にかるく切れ込みを入れて厚さを慣らす。


海老の殻を剥く。殻はソースに使うので取っておく。

海老の背中に切れ込みを入れて、背ワタを取り除く。

背中が上に来るようにまな板に置いて、手のひらで押しつぶす。


ブチブチっと音がするくらい力を込めて、全体の繊維を断ち切ること。
これで火を入れても海老が縮まなくなる。

まな板にラップを引く。
厚みを揃えるため左右交互に頭が並ぶようにして、すこし重ねて海老を並べる。


鶏の長さに合わせて並べて、手のひらで押してくっつける。全体に軽くひとつまみ塩をする。
手前のラップを持って、海老の1/3くらいまで持ってくる。


一度ラップを外して、きれいに巻き込む。


つなぎ目を下にして鶏肉に乗せ、油を塗ったアルミホイルに置く。

手前のアルミホイルをもって、海老を巻き込む。

綺麗に巻けたら写真のように1/3まで巻く。ここで鶏肉をキュッと引いてハリがある状態にする。


奥まで転がして、両端をねじる。
この時もアルミホイルが張っている状態にすること。


アルミホイルの両端を切って、冷蔵庫で30分シメる。
ガランティーヌの焼き方
30分経ったら、たっぷりめの油を引いたフライパンを中火にかける。
煙が出てくるくらい温まったら、鶏を入れる。このとき魚焼きグリルを強火でつけ、予熱を始める。

うっすら煙がでるくらいの火加減で、皮目に焼き色を付ける。
1分おきに回転させながら、6回で一周するようにフライパンのカーブを使いながら焼いていく。
油が跳ねるので、回転させたらフライパンから離れて、1分経ったら少しずつ転がすように。

1周したら取り出す。この段階の弾力は、表面だけ少し弾力があって、奥は柔らかい感じ。

パイ皿やアルミホイルに乗せて、魚焼きグリルへ。弱火にして10分火を入れる。
10分経ったら取り出す。しっかりした固さで、奥までは潰れない。

この作り方なら火は通っていると思いますが、金串を使った確認の仕方も紹介します。
金串を刺して5秒くらいおき、ガランティーヌの中央に当たっていた部分を、下唇の下のくぼみがあるあたりにくっつける。
熱いけどずっと唇に付けたままで平気な温度なら、火は入ってます。

一瞬しか付けていられないような温度なら火が入りすぎで、あったかい程度ならまだ生焼け。
下唇の下の部分は皮膚が薄く、どんな人も同じような厚さ。熱さの感じ方も一緒なので、参考にしてみてください。
取り出してしばらく常温に置き、手で触っていられるくらいの温度になったら冷蔵庫で冷やす。
形が悪くなるので、アルミホイルは取らずに冷やすこと。
十分に冷えたらアルミホイルを外し、表面のゼラチン質を取り除く。

冷やすことで、しっかり海老を巻き込んで固まってくれます。

綺麗な断面。海老はプリプリ、鶏はジューシー。

温めるときは、レンジで軽く温めたものを魚焼きグリルに。
皮の部分がフツフツしたら、出来立ての味です。

ガランティーヌの食べ方

今回はバターライスと温野菜、殻で作ったアメリケーヌソースで温製に。
冷製なら甘くなるまで煮詰めたバルサミコソースや、水切りヨーグルトで作るフロマージュブラン風のソースもいいですね。