フュメドポワソンと聞くと、堅苦しくて、よくわかんないし、めんどくさそう。
いえいえ、そんなことありません。
魚のあら汁です。ただの洋風なあら汁です。それを濾しているだけです。
実はレシピも材料もシンプルで、なにより短時間で作れます。
おうちのごはんにアレンジも効きますし、出汁が美味しいと料理は美味しくなります。
なんでもベースが大事。
目次
材料
(仕上がり3L分)
魚のアラ 6パック(タイの頭3尾分)
玉ねぎ 1個(250g)
セロリ 1本(50g)
人参 1/2本(100g)
ローリエ 3枚
タイム 適量
白胡椒 2g
プロが教えるポイント

フランス料理の出汁は時間も手間もかかりますが、フュメはおうちで手軽に作れる唯一の出汁。
作り方もあら汁です。煮出す時間も30分~1時間。簡単にできますよ。
白身魚のアラでおねがいします。
作り方はあら汁ですが、洋風な、気取った出汁なので白身の魚がマストです。
鯛、ヒラメ、カサゴとか身が白くて、淡白な味の魚がベスト。
サーモン、ブリ、マグロなんかの見ため、赤いやつ。
イワシ、サバ、サンマ、青いやつ。
こいつら使うとその魚の味に支配されます。美味しくないです。
使い方いろいろ。家庭で定番の料理もお店の味に
フュメと聞くと使いどころに悩みそうですが、基本は水の代わりに使うイメージ。
顆粒のほんだしとかを使う感覚で、洋食に置き換えればいいだけ。
味噌汁じゃなくて、
ブイヤベース、クラムチャウダー。
炊き込みご飯じゃなくて、
パエリア、リゾット。
煮物じゃなくて、
シチュー、グラタン、シーフードカレー。
なんでもいいんです。出汁ですから。
市販のパエリアの素、シチューのルーを使うときなんかに、水の代わりに入れてみて下さい。
驚くほど美味しくなります。
作り方
魚のアラの掃除
今回使った魚は鯛のアラ。普通にスーパーで売ってたやつ。
頭と中骨が入っていたので、まずこれをお掃除。
まずは血合いを流水で落とす。


頭にはエラが付いていたらこれも取り除く。エグミが出ます。


アラが浸かる大きさの鍋に入れ、何度か水を入れ替える。
水が濁らなくなったら、ちょろちょろ水を流して1時間程度血抜き。

香味野菜とハーブとスパイス
その間に出汁の野菜を切っておく。
玉ねぎはスライスして、セロリはこのくらい。

茎はスライス。葉っぱはそのまま。
人参はこのくらい。
皮浸き、ヘタ付きでいいので半割りにしてスライス。

香り付けのハーブ、スパイス。このくらい。

無くてもいいですが、香りがあると深みが増します。最低でもローリエくらいは欲しいところ。
まとめてボールに入れておく。

フュメドポワソンの作り方
血抜きが終わったらアラに被るくらいの水を入れて、強火にかける。

温まってくるとアクが出て来ますが、まだ触らず。

しっかり沸いたらアクをひく。

ここからは火加減注意。グラグラ沸かすと濁って雑味が出ます。
しっかり沸いている状態をキープしながらも、
ポコポコ沸く程度に。
アクをひいたら、底の方からアラを持ち上げる。
混ぜるでも潰すでもなく、アラの間にフワッとすき間をつくるイメージ。

ここで混ぜたり潰したりすると、フュメが濁るので注意。
さらに5分くらい。
またアクが出てくるので綺麗に取り除く。


野菜とハーブを入れて、再度沸かしてアクをひく。


あとはいじらず、適宜アクをひきながら、さっきの火加減で煮出していく。

15分後。
まだまだ味は薄くて、野菜風味のお湯。
魚の味はあまりしません。

30分でこんな感じ。

魚の味が、野菜や水の味を追い越しました。
この瞬間がやめどころ。
これ以上煮出してもエグくなるだけ。

グラグラ沸かさなければ、透明感のある澄んだ味わい。
ザルにボウルや鍋をかまして、濾します。

決して押し潰したりしないように。
このまま自然に落ちるのを待つ心の余裕を。
濾し終わったら再度鍋に入れ沸騰させ、アクをひく。

油にも旨味があるのでアクだけ取り除けばOK

最後にキッチンペーパーで濾してあげると、なおクリアな仕上がり。

すぐに使わない場合はタッパに入れて、氷水かまして急冷。
冷えればプルプル。

火加減に注意してしっかり煮出してあげれば、クリアで魚のゼラチン質を舌で感じる美味しいフュメドポワソンになりますよ。

使わない分は袋に入れて冷凍で。
風味は落ちますが、1週間程度ならさほど変わらないので、多めに作っておくのもありですね
フュメドポワソンを使った料理

今回はスーパーの寄せ鍋セットでブイヤベース。
海老、カニ、ホタテにタラ。水で煮ても十分出汁のとれる素材。
それを旨味たっぷりのフュメドポワソンで作るので、間違いないですよねー。