今回は海老を使ったフレンチのソース「アメリケーヌソース」の作り方を紹介。
材料も家で捨ててしまうブラックタイガーの殻で、使う量も1パック8尾分。
鶏のガランティーヌを作ったときの余りものです。
ソースや出汁は1度に大量に作った方が美味しくなるので、正直難しいですがプロの知識で少量でも美味しくなる方法を紹介します。
本当は有頭エビを使った方がコクが出ますが、まあ売ってないし高いんでパス。頭付いてたらミソ吸いたいし。
材料
(2人前)
海老の殻 8尾分
玉ねぎ 50g
人参 30g
トマトまたはトマト缶 1/2個(50g)
八角 1/4個
ニンニク 1片
オリーブオイル 適量
コニャック 10g
白ワイン 80g
水 200g
プロが教えるポイント

海老の甘味を感じさせる
海老は甘味が特徴的な食材。
アメリケーヌソースは海老の頭と殻しか使わないので、この甘味をどう表現するかが腕の見せ所。
旨味の強いミソの入った頭を使えば、そこまで意識しなくても美味しくなりますが、今日は捨ててしまう殻のみなのでかなり重要。
今回は、海老の甘味を香りで補います。
スパイスの甘い香りで海老らしさを出すわけです。
今回は八角を使いましたが、アニスやシナモンにクローヴ、ごく少量のバニラビーンズを使っても面白いですね。
ハーブならタラゴンもありです。
作り方
海老の殻のソテー
アメリケーヌソースの美味しさの8割はここで決まる。
水分が出ると生臭くなるので、水分を飛ばすように強めの火でソテーすること。
オリーブオイルをひいたフライパンを強火で温め、煙が出てきたら海老の殻を入れる。

焦げないように火加減を調整しながら、強めの火できれいに色付けていく。

このくらいこんがり色付いてきたら、火を弱めて手で潰せるくらいカラカラになるまで炒める。


コニャックを入れてすぐ火を止める。

野菜のソテー
海老の殻を炒めながら、野菜もソテーする。玉ねぎと人参はこのくらい。
ソースを綺麗なオレンジ色に発色させるために、人参は皮を剥かずに半割りにしてスライス。
たまねぎは火が入りやすいように、繊維に垂直にスライスする。

ニンニクとオリーブオイル10gを鍋に入れ、弱火にかける。
海老の香ばしさを補強するため、たまに上下を入れ替えながら焦げるギリギリまで加熱。

玉ねぎとニンジンを入れ、しんなりするまで弱火で加熱する。

海老と野菜を合わせる
ソテーした海老の殻、トマトを入れて海老の殻を潰すようにしながら加熱。


海老の殻をソテーしたフライパンは洗わないこと。白ワインを入れて一度沸かし、残った海老のエキスをこそげ取る。


トマトが崩れて水分が出てきたら、白ワインを入れて強火に。水分が無くなるまで煮詰める。


水を入れて強火で一度沸かして火を弱め、軽く沸くくらいの状態で20分煮出す。

アクは取らなくていいです。飲んでみたらわかりますが、これは美味しいアク。
20分したらこんな感じ。

ザルでギュッと押しながら濾して、エビの出汁、野菜の甘味を出し切ります。

これで完成でもいいですが、色も味もまだ薄いので煮詰めます。


かるく沸くくらいの火加減で、ゆっくり煮詰めていく。
海老の味が濃く、きれいなオレンジ色になったら完成。


美味しいソースを作ろうと思ったら、量はこんなもんです。ソース作りは儚いんです。

今回はフレッシュのトマトを使ったのでサラッとしてますが、トマト缶ならもう少し濃度が出ますよ。
仕上げ
アメリケーヌソースに少量の生クリームを入れて沸かす。

火を止めてバターをひとかけ。コクととろみを出します。

最後に塩で味付けすれば完成。

アメリケーヌソースの使い方

今回は海老と鶏のガランティーヌを作るときに出た殻で作ったので、それのソースに。
アメリケーヌソースは炭水化物とよく合うので、付け合わせはバターライスにしました。
海老の殻だけで作ったとは思えない、味と香りは絶品ですよ。