このレシピにたどり着いた方、まずはおめでとうございます。
これで酸っぱくて美味しくないトマトソースとは卒業です。
トマトソースと言えば、イタリアン。
そんなイメージがあるかもしれませんが、実はフレンチでもよく使うソース。
なんだかんだ言っても、ソースと言えばフレンチ。ソース無くして、フレンチなし。
家とお店のトマトソースの違い
家で作ると酸っぱい、コクがない。美味しくない。
どうしてあんなに違うと思いますか?
実はプロが使っている材料は、家と変わりません。
玉ねぎもどこぞの。ってわけでもなく、トマト缶のブランドも一緒。
モンテベッロ、デルモンテ、カゴメ・・・。スーパーで揃うものしかありません。
もちろんこだわって良い材料を使っているところもありますが、大体のお店で使っている材料は家で揃うもの。
違いは作り方。
ただ手順に大きな違いがあるわけではなく、プロは材料の欠点を補うように作ります。
それは普段料理していても、気付けそうで気付けないもの。
今回は他では絶対教えないプロの知識と、それを踏まえた作り方を教えちゃいます。
材料
(5人前 650g分)
オリーブオイル 20g
トマトホール 2缶
玉ねぎ 1個(250g)
ニンニク 2片
塩 4g
砂糖 3g
ベーコン 1枚
ローリエ 1枚
プロの教えるポイント

家のトマトソースが酸っぱい理由
トマトソースの基本的な材料は、玉ねぎ、にんにく、トマト缶。
ですがこの中で実は一つだけ、欠点を持った材料があります。
その答えのヒントは身近なもの。コーラです。
ビンのコーラと、缶のコーラ。なんか違うな、と思ったことありませんか?
気のせいとか炭酸の量がとか言われてますが、大体の人がビンの方が美味しいと感じるはず。
理由は簡単、缶詰臭いから。
缶の臭いっていうのは、缶ジュースなんかで舌に馴染んでしまっているので、普段は何も感じません。
いざ香りの移りにくいビンのコーラを飲むと、微妙な味の変化に気付いてビンの方が美味しく感じるわけですね。
トマト缶を美味しくする
鉄臭さ、酸の香り。
この酸っぱい臭いを消すためには、長時間の加熱が必須。サッと煮込むだけじゃダメ。
家のトマトソースは、遥か彼方に酸味があって、すぐに塩味が来て、そのずーっとしたに甘味。
酸っぱいという印象が強く残って、甘味を感じない。要はコクがない。
いくら玉ねぎで甘味を足そうが、酸味が遠くにいる以上は絶対に追いつきません。
それをローリエやニンニクの風味で打ち消そうとしているから、美味しくない。
缶詰臭さを無くして、酸味と一緒に別の味を立たせてあげることが、美味しいトマトソース作りのポイントです。
作り方
玉ねぎは微塵切り、ニンニクはヘタをとって包丁で潰し、皮を剥いておく。

ホールトマトはボウルに移して手で潰し、皮やヘタがあるようなら取っておく。


タネは食感が良くないので、取る場合はフードプロセッサーで荒めに回してザルで濾す。回しすぎると種が粉々になるので注意。

オリーブオイルとニンニクを鍋に入れ、弱火にかける。
油を端によせてニンニクの香りを移すように加熱。たまにニンニクの上下を入れ替えて、焦げないようにきれいに色付ける。


ニンニクが全体的に色付いたら、玉ねぎ、塩、砂糖を加えて中火に。
最初に塩をすることで、玉ねぎの水分が出てグッと旨味が濃縮され、トマトホールにも味が馴染みやすくなる。

底から混ぜながら加熱して、水分が少なくなってきたら弱火に。焦がさないように。

玉ねぎが黄色くなって、辛味が飛び、食べて美味しい状態になったらトマトホールを加える。

中火にして、底から混ぜながら完全に沸かす。
最初に鍋の淵から沸いてきますが、濃度があるので真ん中の方は沸いてません。良く混ぜながら全体からポコポコするまで沸かすこと。


ここで一度味見。
甘味がなく酸味しか感じず、いつまでも舌に残るこの味を覚えておきます。
沸いたら火を弱火にして、ベーコンとローリエを加える。

ベーコンはあくまで風味付け。スライスでもブロックでもなんでもいいです。
よく売ってるピンクのベーコンは、香りがキツイので使う前に必ず水でサッと洗うこと。

弱火にして、軽く沸いている状態を保ちながら30分~40分煮込む。
濃度があって焦げやすいので、たまに底の方からヘラで混ぜること。今回は30分くらい。

完成の目安は2つ。
1つは食べてみて、塩気が丁度よくなったころ。
2つめは、舌の奥の方で残り続けるエグミ、酸っぱさがなくなってること。これは最初の段階で味見していれば、簡単にわかるはず。
最後に塩と、甘味が足りないようなら砂糖で味付け。
たぶんこのレシピなら、味付けなしで丁度いいはず。
使わない分はタッパに移して、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存。もちろん冷凍もできます。
ベーコンは1日漬けたら、取り出して料理に使ってOKです。

トマトソースの使い方

パスタ、ピザソースなんでもござれ。
煮詰めた白ワインを入れれば爽やかな風味。魚介を使ったものや、シンプルなトマトソースのパスタに。
逆に赤ワインを煮詰めて作れば濃厚なコク。煮込み料理やミートソースなんかはこれ。
今回はラタトゥイユに。シンプルなトマトソースだからできる応用ですね。