「バーニャ・カウダ」直訳すれば、熱いソース。身近ですが立派なイタリア料理のソースです。
玉ねぎの甘味に、アンチョビ由来の魚のダシ、オリーブオイルの香り。
手軽な材料、作り方でここまでコクのある味が出せるのは、イタリアンならでは。フレンチでは真似できません。
意外と多いバーニャカウダの使い方
シンプルなソースなので、美味しく作ればアレンジはいくらでもできます。
野菜につけて食べるだけじゃもったいない。
牛乳で伸ばしてスープに、ビネガーとオリーブオイルでドレッシングに、パンに塗ってチーズをかけてトーストも美味しい。
作るときにオイリーにしなければ、ベースとして何にでも使えますよ!
使う野菜は好きなものを食べるのが一番ですが、イタリアのイメージの強い夏野菜は特に相性がいいです。
生で食べられる野菜は、切って氷水に少しさらせばシャキシャキに。火を入れる野菜も、歯ごたえ良く茹でたいものですね。
材料
(2人前 150g分)
玉ねぎ 1個(300g)
ニンニク 2片
アンチョビ 1缶(35g)
オリーブオイル 30g
プロが教えるポイント

ニンニクの香りを生かす
バーニャカウダのレシピでよく見かける、ニンニクを牛乳で茹でる操作。
ニンニクの臭みをとって、香りや辛味を落ち着かせる為に行いますね。
でもバーニャカウダに関しては、ニンニクの良いとこも悪いとこも生かした方がぼくは好き。
玉ねぎの甘味、アンチョビ、オリーブオイルの香り。ニンニクの臭みを緩和させる要素はいっぱいあります。
なので今回は下茹でなしで。
よくいう臭さはニンニクにもありますが、アンチョビによるものが大きいです。
最初に弱火でしっかり加熱すれば、気になる臭さは絶対出ません。
卵黄とオリーブオイルだけで作る「ルイユ」とかは、ニンニクの逃げ場がないので下茹ではしますけどね。
アンチョビの骨をしっかり溶かす
アンチョビはカタクチイワシの塩漬け。
イワシは小骨がとっても多い魚ですが、骨は煮込めば柔らかくなります。
イワシの梅煮なんかの骨は柔らかくて食べれちゃいますよね。
バーニャカウダソースでも同じこと。
最初にオリーブオイルでアンチョビを煮るように加熱することで、骨のツブツブを感じることなく滑らかに仕上がります。
作り方
玉ねぎは火が入りやすいよう、繊維に垂直にスライス。
ニンニクはヘタを取って包丁の背で潰し、皮を剥いておく。

鍋にオリーブオイル、ニンニク、アンチョビを缶に入った油ごと入れて、弱火にかける。
ゆっくり加熱してアンチョビを溶かし、ニンニクの香りを出す。

鍋を傾け、焦げない様にたまに底の方から混ぜながら加熱。
ニンニクが軽く色付いたら、玉ねぎを入れ中火に。


混ぜながら加熱して、このくらい水分が出てきたら弱火に。フタをして蒸すように加熱していく。

焦げない様に、たまに底から混ぜること。
玉ねぎがクタクタになるまで加熱する。
少し食べてみて、甘味のある美味しい状態になったら火を止める。だいたい20分くらい。
熱いうちにミキサーに入れて回す。


10秒もすれば見た目は滑らかですが、まだザラッとしてます。最低でも30秒くらいは回して滑らかに仕上げること。

すぐに使わないのであれば、タッパに入れてラップを落とし、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存。1週間程度は持ちます。

仕上げ

生クリームで伸ばせばクリーミーに。オリーブオイルなら香り良く仕上がります。
どちらで伸ばす場合も少量ずつ加えて、あまりシャバシャバにならないようにすること。
バーニャカウダは、たっぷりディップできた方が美味しいです。
ひどく分離してしまったら、少し水を入れてあげると元に戻りますよ。
今回は煮詰めた白ワインとクリームで伸ばして、ソテーした鶏ムネのソースに。
バターライスとプロヴァンス風トマト。パクチーを添えて、洋風カオマンガイにしました。