【悲報】ストラスブール大聖堂に期待しすぎて、失恋する。

Sponsored Link

フランスに来て2週間、初めての遠出。

パリを飛びだし、コルマールへ向かう途中に降りたストラスブール。

ここからコルマールまでは30分。少しくらいの寄り道は、いいでしょうに。

ストラスブール大聖堂には、世界最大級のからくり時計があるらしい。ピタゴラスイッチ好きにはたまらない情報。

 

完全にSFな駅を抜けて、ストラスブール大聖堂へ一直線で向かう。まだ午前10時。

 

昼過ぎにはコルマールについてランチかなー。

そんなこと考えていた、この時は。

 

 

ストラスブール大聖堂へむけて

しばらく歩き、橋を渡る。

少しずつ景色が変わってくる。

パリとは違うぞ・・・!

フランスに来て2週間。

パリで都会っ子してたせいで、街並みの変化に人一倍、敏感になっていた。

パリの街は銀座によく似てる。ぼくは生まれも育ちも東京。もちろん3日で飽きる。

マンネリ化した景色の変化は、一番求めていた刺激だった。

 

奥に進むほど、地方色が強くなってくる。止まらないワクワク。

 

通りを抜けると、目の前にあらわれる大聖堂。

でっけえええ

パリのノートルダム大聖堂より全然大きい。

大聖堂とか教会とか、真っ白なイメージしかなかった。実際パリはそうだったし。

だけどここは赤茶色で。いつもと違う風景は、ぼくの期待をどんどん高めていった。

 

カラクリ時計との対面

入り口までやってくる。

困り顔にお出迎えされ、気分は複雑。

 

ノートルダムと似たような入り口でも、茶色いと全然イメージが違う。

奈良の大仏のような色の石像には、親近感がわいてくる。

 

ふと上を見上げる。

天辺遠すぎぃー

一気に見上げようとしたら、首やられかけたよ。

入り口だけでこんなに楽しめるなんて、素晴らしいよ、ストラスブール大聖堂。

 

中に入ったら、すぐに振り向く。

街に出るたび、教会があれば入っていたぼくは、楽しみ方を知っている。

ほら、きれいなバラ窓。

今まで見た、どれよりも淡くて自然な光。

 

前を向きなおし、歩を進める。

この奥に、カラクリ時計があるのか。

 

パイプオルガンの豪華な装飾に見とれ。

 

横を向けば、きれいなステンドグラスが並ぶ。

 

奥にもステンドグラス。

昼に見るステンドグラスがいちばん好き。

日が差しているところと、そうでないところの陰影がきれいで。

 

 

さらに奥へ進むと、ついにあらわれる。

大きい、本当に大きいよ。

すべてが大きいよ、この大聖堂。

さっそく距離をつめる。

 

精巧なつくり、きっとここがカラクリの核なんだろう。

時間とともに、ここがまず動き出すはず。

そして、この地球儀も周り始めて・・・。

そんな想像をしながら、期待に胸をふくらませる。

 

となりには、天使の柱。

 

奥にもきれいなバラ窓。

なんでも、12時から始まるみたいだ。

この時点で、11時。ストラスブールに着いて1時間以上たっていた。

 

1泊2日しかないコルマール旅行。

あくまで寄り道で、降りた街。

ここでさらに1時間潰すのは、どうなんだろう。先を急いだほうがいいんじゃないか?

 

という葛藤は、ぼくにはなかった。

からくり時計がみたくてしょうがなくなっていた。

天井の顔たちに、再開を誓い、外に出る。

 

待ち合わせの時間まで

1時間ではなにも出来ないので、とりあえず大聖堂の周りを散策する。

アルザス地方、名産のフォワグラ。

コルマールに着いたら食べるんだ。

 

どこの国も、おばさんのエネルギーは凄まじい。

 

裏側までやってきた。

街並みがきれいで、いくらでも歩いていられる。

 

あっという間に12時前。

途中に長蛇の列が、あろうが気にもせず。

意気揚々と、入口へ向かう。

 

入り口、開かず。呪文、途切れず。

到着するが、様子がおかしい。

さっきまで、あんなにいた人がいないし、

 

まって、開いてない。

締め切られた入り口。どうして?

 

もしや、さっきの長蛇の列はここに入る列なのか?

急いで戻る。

やっぱりここみたいだ。近くにチケット売り場。有料らしい。

もうここに来て、2時間以上たっている、今さら引くわけにはいかない。

1人2ユーロでチケットを買い、中に入る。

 

堂内は人であふれ、前の方には人だかりができている。

これでは地球儀が見えないじゃないか。

とりあえず、全体が見渡せるところに陣取り、時を待つ。

ビデオが流れている。

フランス語だ、まるで何言ってるかわからない。

しばらく聞き続けると英語に変わる。でも何言ってるかはわからない。

 

 

 

・・・

もう・・・何回見ただろうか。

 

同じ映像が、様々な言語で流れる。

言葉が分かれば、まだいい。ぼくはわからない。ただの呪文にしか聞こえない。心が折れかける。

時計が動き出す、12時30分まで、パルプンテは続いた。

 

想いの終着点

ようやくその時がくる。

周りのオーディエンスも、カメラを上に掲げ、準備を整える。

もちろん、ぼくもその一員だ。

手が震える。

恋い焦がれ、待ち焦がれ。はや2時間半がたった。

ただ軽い気持ちで、寄り道したこの街で、こんなに時間を使うとは思わなかった。

1泊2日の旅行。

周りから見れば、バカみたいな選択。

でも、こんなロマンの詰まった時計を見ずには帰れない。

そんな想いも、ついに報われる。

 

鐘が鳴る。

 

ざわついていた堂内が、急に静まり返る。

人形が、まわりはじめる。

ついに始まった。期待と緊張はピークに達する。

ゆっくりとまわる人形、嵐の前の静けさ。

さっきの地球儀も元気に回っているのだろうか・・・。

 

一周する。

次はなにが起こる。

まわりを見ても、みな釘付け。見逃してはいけない。集中する。

ドキドキが止まらない。

 

 

・・・続く無音。

 

一定の間隔で鳴る鐘。

 

 

 

 

もう、終わっていた。

 

勝手に始まりだと思っていた鐘の音は、もしかしたら終わりを告げるものだったのかもしれない。

まさしく、始まったと思ったら終わっていた。

 

2時間半待った結果がこれか・・・。

隠せない動揺。戻らない時間。

 

とにかく急いでコルマールに向かおう。

早く忘れよう。

小走りで駅に向かう。

まだ13時前。十分時間はあると自分に言い聞かせる。

 

次の電車は、っと。

 

 

 

14時、だと・・・?

 

 

ここからの記憶は定かじゃない。

気付けばまたストラスブール大聖堂の前にいて、アイスを食べていた。

 

・・・

もう来ない。

Sponsored Link